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本ほんで音楽!
読んだ本・聞いた曲の中で気になったものを簡単に紹介します。

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kuwaziro

Author:kuwaziro
京都生まれの京都好きBOY。
読んだ本のなかで感想を残しておきたい作品をご紹介します。
音楽についても気が向けば書きます。ジャズを中心に。
余裕があれば、ゆっくり本が読めるお店(カフェ・書店)なども紹介していければと思っています。

気軽にコメントも残していってください。お返事します。



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イン・ザ・プール、空中ブランコ、町長選挙   奥田英朗著

イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)
(2006/03/10)
奥田 英朗

商品詳細を見る
空中ブランコ (文春文庫)空中ブランコ (文春文庫)
(2008/01/10)
奥田 英朗

商品詳細を見る
町長選挙 (文春文庫)町長選挙 (文春文庫)
(2009/03/10)
奥田 英朗

商品詳細を見る


「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある精神科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖……訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か? 名医か、ヤブ医者か?     背表紙から引用

今回は奥田英朗の「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」、「町長選挙」の伊良部シリーズをご紹介。
本屋でも少し前なら平積みされていたのでご承知の方も多いかと思います。

目を引く表紙。
はじめてイン・ザ・プールの表紙を見た時、ニルヴァーナの「NEVERMIND」のジャケットを思い出しました。
これ↓
NevermindNevermind
(1991/09/24)
Nirvana

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やっぱり似てる似てる。
ちなみにこのニルヴァーナ坊やも今や成人してるらしいです。
これ↓
spencer-elden.jpg
んーー月日がたつのは早いものですね…
少しゾッとしました。
水着脱いだ方がクオリティ上がるのになーとも思いました。

しかしこの小説、ニルヴァーナとは全く関係ありません。
ごくごく簡単に説明すると
様々な面白い症状を抱えた精神病患者が伊良部という精神科医のもとに行き、ひっちゃかめっちゃかな治療法で何故か病気が治っちゃう。という話。
ドラえもんみたいにストーリーの展開は一部パターン化されていますが、それもそれで読みやすい。

なんといっても、この伊良部先生がキャラクターが面白い。既存の固定概念になんて微塵も拘束されない馬鹿であり、天才でもある伊良部先生。とにかく憎めないキャラ。
作品中でも患者のひとりが以下のように言ってます。
「伊良部といい看護婦といい、この診療所は観覧車だ。乗ったら一周する間、そのペースに合わせるしかない。」空中ブランコp141
加えて、伊良部先生のもとを訪れる患者の症状が、現代社会の問題を風刺しているようで共感できるところがこの作品の面白さです。
その中でも「イン・ザ・プール」のコンパニオンとフレンズ、「空中ブランコで」の義父のズラは面白かったですねー。

今のところ3作でているらしいですが、個人的ランキングは
①「空中ブランコ」②「イン・ザ・プール」③「町長選挙」
です。まあ一位の「空中ブランコ」は直木賞を受賞したので当り前といえば当り前。かな

ストレス社会を風刺し、痛快に解決してくれる爽快系小説。
スラスラよめて、読んでいたら何故かちょっと患者に共感できちゃうストーリー。
性格っていうのは既得権だからね。
あいつならしょうがないかって思われれば勝ちなわけ。
」空中ブランコp138
周りの目ばっかり気にして、自分を殺してたらいかん!!と思わせてくれる作品です。おすすめ。ホントに。



ところで、伊良部シリーズを読んだことがある人に聞きたかったことがあります。
あの宴会芸人が伊良部先生のキャラにピッタリと合うと思うのは僕だけ…???ww
この人↓

オススメ度★★★★★
伊良部みたいに生きられたらなぁ感★★★★★
感動度★☆☆☆☆

※只今、万城目学「鹿男あをによし」、筒井康隆「時をかける少女」を読みきり、次は何を読もうか悩んでおります。んーカフカ「変身」でも再読しようかな。んー

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チョコレート革命   俵万智著

チョコレート革命チョコレート革命
(1997/05)
俵 万智

商品詳細を見る

今回は歌集の紹介。
俵万智の「チョコレート革命」。
この歌集は、かの有名な「サラダ記念日」から10年後に発行された歌集です。

それでは気になった短歌をいくつか紹介。

「卒業式の前の日に知る千円でバラは三本買えないことを」

「アラスカの氷はじける地下のバーに熱帯魚のごと夜を憩えり」

「切り捨ててゆかねばならぬ男らの顔浮かんでは消えて、ゆか、ない」

「もう二度と来ないと思う君の部屋 腐らせないでねミルク、玉ねぎ」

「一〇〇ペソの値打ちわからぬまま渡すチップ「アリガト」を五回言われる」

「肩並べ新宿駅に向かう時もう少し続け信号の赤」

「今日あったことを告げたき一日の終わりに通じぬ携帯電話」

全体的に恋の歌が多かったです。
しかしそれ以外にも、作者自身が釧路湿原、フィリピンのマニラ、インドのカルカッタなどの旅を経て詠まれた歌も数多く収録されていました。
気分がリフレッシュするような歌集でした。

ところで
話はこの歌集を買った時にさかのぼりますが、
この歌集古本屋で買ったんです。
でもこの歌集以外にもいくつかの小説を買ったので、買ってからもしばらく手をつけていませんでした。
しかし、後味の悪い小説を読み終わったときに、はじかみ的な物が欲しくなり、
さあ夜風にでも当たりながら、万智の歌でも読もうかなと思い
表紙をめくってみると、、、

なんと!!
サインがあるではありませんか!そう万智の!
ほれ、ドンッ
IMG_4653.jpg

Wow!
古本屋で本を買ったらサイン入りの本にめぐり合うことがあると聞いたことはありましたが
まさかやまさか。。。
本当にめぐり合っちゃう?ww
初体験でした。

はじめ見たときは落書きだと思っていましたが、良く見ると印も薄紙もあり、わざわざこんな手の込んだ悪戯もしなだろうと、ワタクシ今では本物だと思っております。

ちなみに、某大手古本やではサイン入りであろうがマニュアルに沿って査定されるのでプレミア的な価値はつかないそうです。
だから
105円だったのねww

ところで、
この古本屋で売られていたサイン入り歌集を見ていますと
「なんで売っちゃうかなー
初版本でわざわざサインしてもらっときながら、なんで売っちゃうのかなー
列とかにも少しぐらい並んだんじゃないのか
サインしてもらった後に「ありがとうございます!応援してます!」とか言ってたんじゃないのか」

いたって自然で余計な疑問が浮かんできます。
しかし、要は単純に

いらないから売った。
それだけな気がしますw



ここで一句。
ブックオフ 古本買ったら サインあり
 いつの間にやら 万智の大ファン
」 
写実的な良い短歌ができました。
万智さん大丈夫です。サインを売られても105円で新しいファンがここに誕生しました。

※只今ワタクシ中島らもの「明るい悩み相談室①」を読み切り、椎名誠の「中国の鳥人」と浅田次郎の「地下鉄に乗って」をよんどります。みんな105円。ブックオフ。タバコ臭い。

オススメ度★★★☆☆
ベットの上でのうつらうつら度★★★★★
ランキング参加中なので良かったら「ポチっ」お願いします。


伊豆の踊子   川端康成著

伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)
(1951/07)
川端 康成

商品詳細を見る



20歳になる旧制高校生の私は、孤独な心を抱いて、1人伊豆への旅行に出かける。そこで、旅芸人の一行に出会い、14歳の薫という踊子の少女に心惹かれた。卵形の凛々しい顔立ち、しかしどこかに幼さの残る薫。その若々しく清らかな様子に、私の心はいつしか温かく解きほぐされていく……。     背表紙より引用

今回ご紹介しますは、川端康成著「伊豆の踊子」。
これまた古典的名作を…とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、
ワタクシ今まで読んだことがなかったんですよね(汗)恥ずかしながらw
中高の教科書のどこかに載ってなかったかなぁ~と思い直してみても、
ん~読んだ記憶がないッ。「スイミー」と「ちいちゃんのかげおくり」しか出てこないッ!!あと「スーホの白い馬」ねwとまぁ何故か小学校の教材しか思い出せないww
…年代がバレますね(汗)全然隠してないんですけどねw

話が脱線しましたが、今回は「伊豆の踊子」です!!
簡単にご説明しますと…今でいう東大生的なイケメン学生(映画の中では)が独り旅をしていたら、旅芸人の一行に出くわし、その中のひとりの踊り子にイケメン恋をする。すごい気になるぅ。でもなんだかんだで別れてしまう。気が付いたらお婆さん預かってるぅww…みたいな話ですw
後半部分はふざけてるようですが、ホントです。別れ際に知らないお婆さんを預かるんですw原作では。映画ではさすがに演出上カットになってるみたいですけど。

急にこの作品を読んでみたくなったのですが、ズバリその理由は「百恵ちゃん

意味が分からないかと思いますが、つまりはWOWOWでやっていた山口百恵主演の伊豆の踊り子をみて、「えっ、この人こんなにキレイやったけぇ??」と興味を持ち、原作を読んでみただけですw
なので映画を先に見たので、ストーリーは頭に入った状態で小説を読みました。

このことが良かったのかも。面白かったです。
というのも、上で紹介しているこの文庫本。短編集なんです。
なので、伊豆の踊子以外にも何作か掲載されているんですが、正直言って僕の頭では「ん??何を言いたいんだか?なんなんだか?」みたいな作品もあったんですw
このことを考えると、映画が補助輪的役割を果たしてくれたのかもしれません。そのおかげで伊豆の踊子はスラスラ読めました。
とはいっても、伊豆の踊子は川端康成の作品の中でも比較的読みやすいらしいので、
僕もホントは補助輪なんかなくてもスイスイ立ち乗りできたんですけどね>゜)))彡…嘘です>゜)))彡結構助かりましたw

でも、ホントに面白かったです。
映画を見ていたせいか、ヒロインの薫がとても想像しやすく、
またその幼く可憐だがその中にも大人の女性の魅力が垣間見える14歳の踊子の姿が美しく印象的でした。
特に初めて純文学を読んでみようかなと考えてる人には、文章がキレイでストーリーが分かりやすくオススメです。


ちなみに、原作を読んだ後、吉永小百合主演の同作品もあることを知り、見ちゃいました。
もう小百合ちゃんかわい過ぎ!!!
百恵ちゃんとどっちがいいかなぁ~なんて考えてみたところ、
どっちもいいです!!
百恵ちゃんの哀愁漂う感じもいいし、小百合ちゃんの可愛らしさもいいし、
皆さんはどうでしょうか?下に二人の踊子の動画を挙げときます。
是非見て、どっちがいいか考えてみて下さい。
小百合派?百恵派?さぁどっち?

コチラが山口百恵主演作(ちなみに、書生役は今の夫三浦友和。公募で相手役に選ばれる)
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コチラが吉永小百合主演作(ちなみに、書生役は高橋英樹。桃太郎侍を経て越後製菓「正解!」。現在、真麻の父、腰痛持ち)
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オススメ度★★★★☆
純文学というものを読んでみた達成感★★★★★
小百合か百恵のどちらを取るかの葛藤度★MAX

※youtubeに吉永小百合主演の作品が全編upされていましたw
 興味が湧いた方は是非ご覧になって下さい。
 パソコンからご覧になられている方は、吉永小百合主演の動画後のリンク画面から見ることができると思 います。
 今、村上龍の「トパーズ」を読書中。今んとこエロいですw

ランキング参加中です。よろしければ″ポチっ″お願いします。


とんび   重松清 著

とんび (角川文庫)とんび (角川文庫)
(2011/10/25)
重松 清

商品詳細を見る

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。
しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―――。
アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。   背表紙から引用




今回ご紹介するのは「とんび」。おススメです!!
感動したい。小説で泣きたい。家族モノが読みたいと思っている人は是非どうぞ!
本作品の著者である重松清さんは「家族愛」をテーマに小説を書かせればピカイチ!特に不器用なシングルマザー・ファザーを描かせれば向かうところ敵なし!みたいな方だと思います。
今回の「とんび」もお得意の不器用なシングルファザーのお話。
最愛の妻、美佐子さんを早くして亡くすも、男手ひとつで息子アキラを育て上げる。…ほんとに簡単にいうとこんな感じなんですが、

ほんとにこのヤスさん!不器用なんですwwそれがいじらしくていじらしくて、どうにかならんのか!その性格!と思ってしまうんですけど、すべてはアキラを思ってのことなので憎めない。

そしてアキラ。ほんとに良い子なんですwwできすぎなぐらい良い子なんですw意地っ張りなヤスさんとの絶妙なかかわり具合が面白いです。ほんとに「とんび」と「鷹」です。

忘れてはいけないのが、たえ子・海雲・照雲・幸恵などの二人を優しく支えるご近所さん。この人たちにもストーリーがあり、それなしでは本作品は語れないほどです。広島にはいい人しかいないのかと思うくらい温かく、人情が厚い人たちです。

ほんとに泣いちゃうんですが最後は笑顔になっている心温まるお話です。
早く読みたいけど、読み終わりたくない本、
大切な人に読んでもらいたくなる本だった気がします。

特に印象に残った場面を一つ。
妻・美佐子さんを亡くし、心が揺れ動いているヤスさんに和尚の海雲が冬の海に連れ出してかけた言葉
おまえは海になれ
雪は悲しみじゃ。悲しいことが、こげんして次から次に降っとるんじゃ、そげん想像してみい。地面にはどんどん悲しいことが積もっていく。色も真っ白に変わる。雪が溶けたあとには、地面はぐじゃぐじゃになってしまう。おまえは地面になったらいけん、海じゃ。なんぼ雪が降っても、それを黙って、知らん顔して呑み込んでいく海にならんといけん

ちなみにこの小説が基となり、ドラマもNHKから作られてるみたいです。
私もまだ見てませんが、ヤスさんを堤真一さんが、たえ子を小泉今日子さんが演じてるみたいなので期待大です。ヤスさんの部下としてドランクドラゴンの塚地さんもでてるらしいです。
imagesCANLNNRE.jpg
オススメ度★★★★★
家族愛  ★★★★★
スピード感★★★★☆
※昨日、江戸川乱歩傑作選を読み終わり、今は金子みすずの童謡集と川端康成の伊豆の踊り子を読んでる最中です。なんでか、教科書に載ってるような本ばかり読んでます。そんな気分なんですw

風の中のマリア   百田尚樹 著

風の中のマリア (講談社文庫)風の中のマリア (講談社文庫)
(2011/07/15)
百田 尚樹

商品詳細を見る

命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。
晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。
ある日出会ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。著者の新たな代表作。                                                        背表紙から引用




第一回目の本の紹介です。
八月の中頃にさしかかった今もなお、夏の暑さは衰えないですね。
蝉が家の中に入り込んでるのではないかと思うほど盛んにミンミンいっておりますが、そんな季節にピッタリの小説が、今回紹介する「風の中のマリア」です。
一匹のヴェスパ・マンダリニア(オオスズメバチのことを学名ではVespa-mandariniaというらしいです)の戦士・マリアが主人公となって、種の繁栄のため戦い、その中で自らの生まれた意味を見つけ出す…簡単にまとめると、そういったお話です。

読み終わった後に、「変わった感じやな~でも面白いなぁ~」と感じる作品でした。と思ったら、末尾の解説で養老孟司さんが「実に稀有な面白さを持った不思議な小説である。」て言ってる…
それです!それ!!俺が言いたかったのそれです!俺が言いたかったことをカッコつけて言うとそれなんです!
まぁこんな感じで、東京大学名誉教授と一般人の間にあるバカの壁を見せつけられた作品でしたww

さて冗談は顔だけにしておいて、この作品、オオスズメバチに関する新たな知識が盛りだくさんです。
女王バチしか子供を産まないのは知ってましたが、ワーカーってメスしかいないんですってね。でもこのメスは子を産まず、ひたすら女王蜂が産んだ子供のために餌を狩ってくる。
これはすべて「ゲノム」とやらが関係しているらしいです。このゲノムについて書きたいのは山々なんですが、バカの壁を乗り越えられない私には技量不足で、説明をするとひっちゃかめっちゃかになること必至などで避けますww小説の中では図解付きで解説されていますので、詳しくはそちらで。

でも自分では子を産まず、女王バチのために必死に戦うワーカーたちですが、時期が来るとマトリサイド(女王バチ殺し)をするんですって!!これも「ゲノム」の仕業。
なかなか昆虫の世界も複雑ですねー

ともあれ、稀有な面白さを持った小説なんで、連読で普通の小説はあきたなーと思っている方には、特にお勧めです。

最後に、この作品を読んだときにHIGH-LOWSの「夏なんだな」の歌詞がピッタリと思ったので、あげときます。ヒロト痩せすぎwでもカッコイイーーー


オススメ度     ★★★★☆
昆虫たちのたくましさ★★★★★
バカの壁痛感度   ★★★★★