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イン・ザ・プール、空中ブランコ、町長選挙 奥田英朗著
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「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある精神科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖……訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か? 名医か、ヤブ医者か? 背表紙から引用今回は奥田英朗の「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」、「町長選挙」の伊良部シリーズをご紹介。
本屋でも少し前なら平積みされていたのでご承知の方も多いかと思います。
目を引く表紙。
はじめてイン・ザ・プールの表紙を見た時、ニルヴァーナの「NEVERMIND」のジャケットを思い出しました。
これ↓
やっぱり似てる似てる。
ちなみにこのニルヴァーナ坊やも今や成人してるらしいです。
これ↓

んーー月日がたつのは早いものですね…
少しゾッとしました。
水着脱いだ方がクオリティ上がるのになーとも思いました。
しかしこの小説、ニルヴァーナとは全く関係ありません。
ごくごく簡単に説明すると
様々な面白い症状を抱えた精神病患者が伊良部という精神科医のもとに行き、ひっちゃかめっちゃかな治療法で何故か病気が治っちゃう。という話。
ドラえもんみたいにストーリーの展開は一部パターン化されていますが、それもそれで読みやすい。
なんといっても、この伊良部先生がキャラクターが面白い。既存の固定概念になんて微塵も拘束されない馬鹿であり、天才でもある伊良部先生。とにかく憎めないキャラ。
作品中でも患者のひとりが以下のように言ってます。
「伊良部といい看護婦といい、この診療所は観覧車だ。乗ったら一周する間、そのペースに合わせるしかない。」空中ブランコp141
加えて、伊良部先生のもとを訪れる患者の症状が、現代社会の問題を風刺しているようで共感できるところがこの作品の面白さです。
その中でも
「イン・ザ・プール」のコンパニオンとフレンズ、「空中ブランコで」の義父のズラは面白かったですねー。
今のところ3作でているらしいですが、個人的ランキングは
①「空中ブランコ」②「イン・ザ・プール」③「町長選挙」
です。まあ一位の「空中ブランコ」は直木賞を受賞したので当り前といえば当り前。かな
ストレス社会を風刺し、痛快に解決してくれる爽快系小説。
スラスラよめて、読んでいたら何故かちょっと患者に共感できちゃうストーリー。
「
性格っていうのは既得権だからね。
あいつならしょうがないかって思われれば勝ちなわけ。」空中ブランコp138
周りの目ばっかり気にして、自分を殺してたらいかん!!と思わせてくれる作品です。おすすめ。ホントに。
ところで、伊良部シリーズを読んだことがある人に聞きたかったことがあります。
あの宴会芸人が伊良部先生のキャラにピッタリと合うと思うのは僕だけ…???ww
この人↓
オススメ度★★★★★
伊良部みたいに生きられたらなぁ感★★★★★
感動度★☆☆☆☆
※只今、万城目学「鹿男あをによし」、筒井康隆「時をかける少女」を読みきり、次は何を読もうか悩んでおります。んーカフカ「変身」でも再読しようかな。んー
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